【正直レビュー】平の高房の閑静亭|微妙な点・実際に泊まって分かった魅力

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栃木県日光市の山あいにある湯西川温泉。その中でも、秘湯らしい雰囲気を色濃く残しているのが「上屋敷 平の高房」です。

今回、実際に宿泊したのは、古民家を一棟まるごと貸し切れる特別室「閑静亭」。広い客室に囲炉裏があり、さらに一般的な客室露天風呂のイメージを大きく超えるほど広い専用露天風呂まで付いています。

実際に泊まってみて特に印象に残ったのは、一棟貸しならではの圧倒的な広さ、源泉かけ流しの客室露天風呂、そして専用の囲炉裏で楽しむ夕食でした。最近の旅館では食事の品数が少なく、追加注文をしないと少し物足りないこともありますが、平の高房は基本の料理だけでも十分なボリュームがあり、味・品数ともに満足度は高めでした。

一方で、山の中にある離れならではの注意点もあります。部屋までは階段をかなり上る必要があり、夏場は共用露天風呂周辺にアブが多く、客室内にも虫が入ってくることがあります。また、宿の周辺にはコンビニや遊べる場所もほとんどありません。

とはいえ、そうした不便さも含めて、「観光地を巡る旅行」ではなく「宿そのものを目的にして過ごす旅行」には非常に向いていると感じました。

この記事では、実際に閑静亭へ宿泊した体験をもとに、客室や露天風呂、料理、館内の雰囲気、温泉の特徴、そして宿泊前に知っておきたい注意点まで詳しく紹介します。これから「上屋敷 平の高房」や「閑静亭」への宿泊を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

湯西川温泉「上屋敷 平の高房」とは

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「上屋敷 平の高房」は、栃木県日光市・湯西川温泉にある温泉旅館で、標高約760m、約1万2千坪という広い敷地に客室はわずか19室。

一般的な大型温泉ホテルとは異なり、山の斜面を活かした敷地の中に木造の建物が点在しており、宿全体がひとつの小さな集落のような雰囲気になっています。

湯西川温泉自体が山深い場所にありますが、平の高房はその立地も相まって「温泉街へ遊びに行く」というより、宿そのものに滞在することを楽しむタイプの旅館という印象でした。

にぎやかな温泉ホテルよりも、

「静かな場所で温泉に入りたい」

「人の少ない場所でゆっくりしたい」

「昔ながらの日本の建物が好き」

という人に向いている宿だと思います。

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今回宿泊した閑静亭は、平の高房にある古民家タイプの離れです。

公式サイトでは「小高い丘の隠れ家」と紹介されており、一棟を貸し切って利用できます。

広さは35帖。

間取りは6帖+6帖+18帖+5帖となっており、さらに専用露天風呂、シャワー、囲炉裏、トイレ、シモンズ製のセミダブルベッド2台などが備えられています。

定員は4〜8名となっていますが、2人で宿泊も可能ですが、正直なところ、2人で使うにはかなり贅沢な広さです。

ただ、この「広すぎるくらいの空間」が閑静亭の魅力でもあります。

ホテルの客室に入ったときの感覚ではなく、玄関を開けて建物の中へ入った瞬間に、

「今日はこの家全部が自分たちの空間なんだ」

という特別感があります。

上屋敷 平の高房 閑静亭の良いところ

客室露天風呂とは思えないほど、とにかく広い

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閑静亭に宿泊して、まず驚いたのが客室専用の露天風呂の広さです。

「露天風呂付き客室」と聞くと、一般的には部屋のテラス部分に1〜2人で入れる浴槽が付いているイメージですが、閑静亭はまったく別物でした。

まず、部屋から露天風呂へ向かうと、しっかりとした専用の入口があります。

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さらにその先には独立した脱衣スペースがあり、脱衣かごも複数用意されています。ここまで来ると、客室のお風呂というより、旅館の貸切風呂へ向かっているような感覚です。

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そして扉の先にある露天風呂が、本当に広い。

大きな岩を組み合わせた浴槽が広々と造られていて、スペースにはかなり余裕があります。周囲は木造の柱や梁、すだれに囲まれ、その向こうには湯西川の緑。写真で見ても分かる通り、「これが一部屋だけの専用風呂なの?」と思うほどの規模感でした。

平の高房にはもちろん大浴場もありますが、実際に宿泊してみて驚いたのは、閑静亭の客室露天風呂のほうが広いことです。

参考までに以下が大浴場。

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入口があり、脱衣所があり、その先にこれだけ大きな露天風呂がある。設備だけ切り取れば、この露天風呂だけで一つの貸切温泉施設として成立しそうなレベルです。

しかも、これだけの空間を宿泊中は自分たちだけで使えます。

他の宿泊客を気にする必要もなく、好きな時間に好きなだけ入れる。この圧倒的なプライベート感とスケール感は、閑静亭に泊まる大きな魅力のひとつだと感じました。

すべて源泉かけ流し、秘湯らしさを味わえる湯

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上屋敷 平の高房の大きな魅力のひとつが、温泉がすべて源泉かけ流しで楽しめることです。館内に掲示されている案内でも「源泉100%かけ流し」「認定浴槽」と明記されており、日本源泉湯宿を守る会の認定を受けています。

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泉質は単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)で、掲示されている温泉分析書ではpH8.5。アルカリ性のやわらかい湯で、入ったときの刺激が少なく、長く浸かりやすい印象でした。湯西川温泉は“美肌の湯”としても紹介されており、湯上がり後も肌がつるっとした感覚があります。

そして、平の高房の温泉の魅力は泉質だけではありません。山深い湯西川の自然に囲まれた立地そのものが、いわゆる「秘湯に来た」という雰囲気を強く感じさせてくれます。周囲に街の喧騒はほとんどなく、温泉に浸かりながら聞こえてくるのは自然の音が中心です。

大浴場や露天風呂はもちろん、今回宿泊した閑静亭にも大きな専用露天風呂があり、好きな時間に源泉かけ流しの湯を楽しめます。豪華なスパ施設というより、温泉そのものと静かな環境をじっくり味わう宿。秘湯らしい温泉旅館を求めている人には、かなり魅力的な一軒だと感じました。

一棟貸しならではの広さと、囲炉裏のある古民家らしい空間

閑静亭でもう一つ印象に残ったのが、客室そのものの広さです。

一般的な旅館の客室というより、「温泉付きの古民家を一棟借りる」という表現のほうが近く、夫婦2人で宿泊するとかなり贅沢に感じる広さでした。畳の和室だけでなく、板張りのリビングスペースや縁側のように外を眺めながら座れる場所もあり、部屋の中を移動するだけでも空間の雰囲気が変わります。

中でも特徴的なのが囲炉裏です。

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畳の中央に囲炉裏が設けられていて、古い柱や建具と合わさることで、昔ながらの日本家屋らしい雰囲気をしっかり味わえます。新しい旅館でよくある「和モダン」とは違い、建物そのものが持つ年月を感じられるところも閑静亭ならでは。囲炉裏のそばに座っていると、それだけで普段とは違う時間を過ごしている感覚がありました。

設備面も意外と充実しています。巨大な客室露天風呂だけでなく内風呂も用意されているので、天候や気温によって使い分けることもできます。

さらに冷蔵庫があり、少し年季は感じるもののキッチンスペースまで備わっています。一般的な旅館ではあまり見かけない設備なので、改めて「客室」というより一軒家に近い造りだと感じました。

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古民家なので、宿泊前は「夏は暑そう」「冬はかなり寒いのでは?」という点が少し気になっていました。しかし実際には、各部屋にエアコンが1台ずつ設置されており、宿泊した際はとても快適でした。

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建物の古さは確かにありますが、その古さを無理に隠しているわけではなく、囲炉裏や畳、木の床、昔ながらの建具なども含めて閑静亭の魅力になっています。

広さを求める人はもちろん、「普通の露天風呂付き客室では物足りない」「古民家そのものに泊まってみたい」という人には、かなり満足度の高い部屋だと思います。

囲炉裏料理が本格的で、品数もボリュームも大満足

閑静亭で印象に残ったもう一つのポイントが、食事の満足度の高さです。

囲炉裏料理を提供する旅館は珍しくありませんが、実際にはブッフェ形式になっていて、焼き物などを自分で取りに行き、席に戻って食べるスタイルのところも多いと思います。

一方、平の高房では自分たちの席ごとに専用の囲炉裏が用意されているのが特徴です。目の前の炭火で川魚や野菜などがじっくり焼かれていくので、料理を食べるだけでなく、焼き上がるまでの時間や香りまで含めて楽しめました。

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特に川魚の塩焼きは、炭火でゆっくり焼かれていることもあって、囲炉裏料理らしい雰囲気をしっかり味わえます。こうした料理が目の前に並ぶと、「山の温泉宿に来た」という実感も一気に高まります。

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また、料理は囲炉裏焼きだけではありません。前菜や野菜料理、鍋物、麺料理など一品一品に工夫があり、地元の食材や季節の食材を楽しめる内容になっていました。単純に量を増やすのではなく、料理そのものへのこだわりを感じられたのも良かったところです。

そして個人的にうれしかったのが、とにかく品数とボリュームがしっかりしていること

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最近宿泊した旅館の中には、料理は上品で美味しいものの、品数が少なく、結局追加料理を注文しないと少し物足りないと感じることもありました。その点、平の高房は最初から十分な品数が用意されていて、食事を終える頃にはかなり満足感がありました。

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「囲炉裏料理」という体験だけに頼るのではなく、味・品数・ボリュームまできちんと満足できる

温泉や客室だけでなく、食事もしっかり楽しみたい人にとって、平の高房の大きな魅力だと思います。

平の高房では、夕食の基本コースとは別に追加料理やお酒を注文することもできます

追加料理には、岩魚の骨酒、鹿肉のたたき、生湯葉刺し、うなぎ白焼きなどが用意されており、「せっかく湯西川まで来たので、もう一品ご当地らしい料理を楽しみたい」という人にはうれしい内容です。

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特に目を引いたのが岩魚の骨酒。山の温泉宿らしい一品で、日本酒が好きな人であれば囲炉裏料理との相性も良さそうです。鹿肉のたたきや生湯葉刺しなどもあり、栃木・日光らしさを感じられる追加メニューが揃っていました。

ドリンクについても、日本酒や焼酎、ビール、ワインなど種類はかなり豊富です。地酒も複数用意されており、料理に合わせてお酒を選ぶ楽しみもあります。ワインリストも別に用意されていて、温泉旅館としては選択肢が多い印象でした。

ただし、実際に宿泊して感じたのは、追加注文をしなくても基本の夕食だけで十分すぎるほどのボリュームがあるということ。

囲炉裏焼きをはじめ、前菜や野菜料理、鍋物、麺料理など品数が多く、食事が進むにつれてかなりお腹いっぱいになります。最近の旅館では「少し物足りないので追加料理を頼もうかな」と感じることもありますが、平の高房ではその必要は感じませんでした。

そのため追加料理は、「量を補うため」というより、岩魚の骨酒や鹿肉、湯葉など、気になるものをさらに楽しみたい人向けと考えるのがよさそうです。

個人的には、まずは通常の夕食を楽しみ、それでも食べてみたい料理があれば追加するくらいで十分だと思います。基本コースだけでも、味・品数・ボリュームのすべてで満足できる夕食でした。

上屋敷 平の高房 閑静亭の注意点

離れなので、部屋までの移動は少し大変

閑静亭については、宿泊して大きな不満を感じたところはほとんどありませんでした。ただし、予約前に知っておいたほうがいい点はいくつかあります。

そのひとつが、部屋までの距離と階段の多さです。

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閑静亭は本館から離れた場所にある一棟貸しの客室なので、部屋へ向かう途中でそれなりに歩きます。さらに、写真のような長めの階段や通路を通る必要があり、一般的な旅館で「エレベーターを降りたらすぐ客室」という感覚とはかなり違います。

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実際に歩いてみると、この立地だからこそ周囲が静かで、閑静亭ならではのプライベート感が生まれているとも感じました。一方で、スーツケースや大きな荷物をたくさん持って移動する場合は、少し大変だと思います。

また、足腰に不安がある人や、小さな子ども連れ、高齢の方と一緒に泊まる場合は、事前にこの点を把握しておいたほうが安心です。

私たちの場合は特に問題ありませんでしたが、何度も本館と部屋を往復するよりは、必要なものをまとめて持って閑静亭へ向かうほうが楽だと感じました。

ただ、この「少し奥まで歩いていく感じ」も、個人的には悪い印象ではありません。階段を上り、建物を抜け、その先に一棟だけの閑静亭があるため、普通の客室とは違う“隠れ家へ向かう感覚”があります。

利便性を最優先する人には少し気になるポイントですが、静けさや特別感を重視する人であれば、むしろ閑静亭らしさのひとつとして楽しめると思います。

夏の露天風呂はアブがかなり多い

もうひとつ、夏に宿泊する場合は知っておいたほうがいいと感じたのが、宿泊者共用の露天風呂にいる虫の多さです。

平の高房には宿泊者が利用できる内風呂と露天風呂がありますが、私たちが宿泊した夏の時期は、露天風呂周辺にアブやトンボがかなり多く飛んでいました。

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特に気になったのがアブです。

露天風呂へ入ってみようとしたものの、耳元を何度も飛んでいくほどで、個人的には落ち着いて温泉を楽しめる状況ではありませんでした。山の中にある自然豊かな宿なので仕方がない部分ではありますが、虫が苦手な人にとってはかなり厳しいと思います。

滞在中、3回ほど露天風呂の入口付近を通る機会がありましたが、そのときは一度も利用している人を見かけませんでした。たまたまタイミングが重なっただけかもしれませんが、同じように虫を気にして利用を控えている宿泊客もいたのかもしれません。

一方で、この点でも閑静亭の客室露天風呂は非常に快適でした。

閑静亭の露天風呂も自然に囲まれていますが、周囲にはしっかりと網が張られています。そのため、開放感を残しながら虫が入りにくい造りになっており、私たちが宿泊している間は一度もアブが入ってくることはありませんでした

夏場は共用露天風呂を楽しみにしている人にとって少し注意が必要ですが、閑静亭に宿泊するのであれば、大きな専用露天風呂があります。虫を気にせず好きな時間に温泉へ入れたことを考えると、むしろ夏の平の高房では閑静亭の客室露天風呂のありがたさをより強く感じました。

自然の中の宿なので、部屋にも虫は入ってくる

もうひとつ、特に虫が苦手な人は知っておいたほうがいいと感じたのが、客室内にも虫が入ってくることがあるという点です。

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平の高房、そして閑静亭はかなり自然に囲まれた場所にあります。そのため、ハエやアリといった身近な虫はもちろん、普段の生活ではあまり見かけないような虫が部屋の中に入ってくることもありました。

私たちが宿泊した際には、親指くらいのサイズがある大きな虫が室内に入ってきたこともあり、最初は少し驚きました。

とはいえ、山の中にある古民家タイプの宿ということを考えれば、ある程度は仕方のない部分だと思います。個人的には、宿泊に支障が出るほどではありませんでしたし、「自然の中に泊まっているんだな」と思えば、それほど気になりませんでした。

一方で、「ホテルの客室では虫を一匹も見たくない」という人には、閑静亭はあまり向いていないかもしれません。

建物自体も昔ながらの古民家ですし、周囲は森や草木に囲まれています。完全に虫を遮断された都市型ホテルとは環境がまったく異なります。

逆に、多少の虫は気にならず、自然の中にある古民家の雰囲気や秘湯らしさを楽しみたい人であれば、それほど大きなデメリットには感じないと思います。

周辺にコンビニがない・渋い観光地はあるが遊ぶところは遠い

最後に、平の高房へ宿泊する際に知っておきたいのが、周辺にはお店や観光スポットがほとんどないということです。

湯西川温泉自体がかなり山深い場所にありますが、平の高房はその中でも静かな場所に位置しています。宿の近くにはコンビニもなく、「夜に飲み物やお菓子が欲しくなったからちょっと買いに行こう」ということは簡単にはできません。

そのため、お酒や飲み物、お菓子など部屋で楽しみたいものがある場合は、宿へ向かう途中であらかじめ購入しておくのがおすすめです。

また、周辺に遊べるスポットがたくさんあるわけでもありません。例えば日光エリアの代表的な観光スポットである日光江戸村までも、私たちが移動した感覚では車で50分ほど。日光観光の拠点として、朝から晩までいろいろな場所を巡りたい人には少し不便に感じるかもしれません。

フロント・館内の雰囲気|派手さはないが、落ち着いて過ごせる「昔ながらの温泉宿」

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上屋敷 平の高房に到着して、最初に感じたのは、華やかな高級旅館というより、木の温もりを大切にした落ち着いた温泉宿という印象でした。

フロント周辺は天井が高く、太い梁や柱が見える開放的な造りになっています。照明も明るすぎず、木造建築らしい落ち着いた色合いで統一されていて、宿に入った瞬間からどこかゆったりした空気が流れています。

最近の高級旅館では、モダンなソファや大理石、間接照明を多用したラグジュアリーなロビーも増えていますが、平の高房はそういった方向性とは少し違います。

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ソファやテーブルは比較的シンプルで、館内全体にも新しさを前面に出した雰囲気はありません。ただ、その分、昔ながらの旅館らしさや山あいの宿らしい落ち着きがしっかり残っています。

ロビーには複数のソファが並んでおり、チェックイン前後に座って休憩できるスペースも十分あります。大きな窓の外には緑が広がっていて、館内にいながら自然を感じられるのも印象的でした。

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特に良かったのが、館内の随所に飾られている調度品です。

大きな木材をそのまま活かしたオブジェや、昔ながらの絵、蓄音機のような展示物などが置かれており、館内を歩いているだけでも少し面白さがあります。

また、季節の花や枝を使った大きな生け花もありました。私たちが宿泊した際には紫陽花などが使われていて、かなり存在感のある飾り付けでした。

いわゆる「映える」ことだけを狙った装飾というより、宿の雰囲気に合わせて昔ながらの素材や自然のものを使っている印象です。

館内にはちょっとした売店もある

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フロント周辺には、小規模ながらお土産を購入できる売店スペースもあります。

棚にはお菓子や食品のほか、手作り感のある雑貨や小物などが並んでいました。

前述した通り、平の高房の周辺にはコンビニや大きなお店がほとんどありません。そのため、宿の中でちょっとしたお土産を購入できる場所があるのはありがたいところです。

売店自体は大型ホテルのお土産コーナーほど広くありませんが、温泉宿らしい商品が並んでいて、チェックアウト前に眺めてみるのも楽しいと思います。

建物には古さを感じるが、それが宿の雰囲気にもなっている

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館内を歩いていると、やはり建物自体にはそれなりの年季を感じます。

柱や床、壁などを見ても、最新の旅館のようなピカピカの新しさはありません。

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ただ、個人的にはこの古さはマイナスには感じませんでした。

むしろ、平の高房の場合は新しく作られた「和風旅館」ではなく、本当に長い時間使われてきた建物に泊まっている感覚があります。

特に今回泊まった閑静亭もそうでしたが、建物の古さや木材の風合いまで含めて宿の魅力になっていると感じました。

もちろん、ホテルの設備やインテリアに新しさを求める人であれば、少し古く感じる部分はあると思います。

一方で、古民家や昔ながらの温泉旅館が好きな人であれば、むしろこの雰囲気を気に入る可能性が高いです。

まとめ|「宿そのものを楽しむ旅」がしたい人におすすめ

今回、湯西川温泉「上屋敷 平の高房」の閑静亭に実際に宿泊してみて、特に印象に残ったのは、客室露天風呂の広さ、古民家一棟貸しならではの空間、そして囲炉裏料理の満足度でした。

閑静亭は、一般的な「露天風呂付き客室」とはかなり違います。部屋の中には囲炉裏があり、複数の和室や板張りのスペース、内風呂、冷蔵庫やキッチンまで備わっています。さらに専用露天風呂は、入口や脱衣所まで独立していて、客室風呂というよりひとつの貸切温泉施設として成立しそうなほどの規模でした。

温泉は源泉かけ流しで、山奥の静かな環境も含めて秘湯らしさをしっかり味わえます。食事も、席ごとに専用の囲炉裏が用意され、川魚や野菜などを楽しめる本格的なスタイル。基本の夕食だけでも品数とボリュームが十分にあり、追加料理を頼まなくても満足できました。

一方で、閑静亭は離れにあるため部屋まで階段を多く上る必要があり、夏場は虫も多めです。共用露天風呂ではアブが気になる場面もあり、客室内にも虫が入ってくることがありました。また、周辺にはコンビニや観光施設がほとんどないため、便利さを重視する人には少し不向きかもしれません。

ただし、こうした点は、山の中にある秘湯の宿だからこその部分でもあります。

観光スポットを次々と巡るのではなく、早めに宿へ入り、温泉に入り、囲炉裏料理を食べ、古民家でゆっくり過ごす。そんな旅行をしたい人には、平の高房、とくに閑静亭はかなり相性が良いと思います。

夫婦やカップルで静かな時間を過ごしたい人、源泉かけ流しの温泉を好きなだけ楽しみたい人、古民家や囲炉裏の雰囲気が好きな人には、ぜひ一度泊まってみてほしい宿です。今回の宿泊では、不便さよりも「ここでしか味わえない時間」のほうが強く印象に残りました。

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