群馬・伊香保温泉の中でも最大規模を誇る「ホテル天坊」。
YouTubeショートやTicTokなどで、アワビも食べ放題な最高のホテルと宣伝されていたりと、口コミでも名前をよく耳にしていたので、先日ようやく宿泊してきました。
結論から言うと、期待と実態が大きく乖離している感じが否めません。
ただし、PR案件や口コミなどを真に受けずに、「古き良き温泉ホテル」と思って宿泊するのであればそれほど悪くないホテルで、コスパもよいかと思いました。
このあたりを実際にホテル天坊へ宿泊してきた体験を踏まえて解説していきたいと思います。
ホテル天坊の全体的な雰囲気

建物は全体的に年季を感じさせる造りで、豪華さよりも「昭和〜平成初期の温泉旅館」といった雰囲気。フロントの対応は丁寧でしたが、チェックインの列が長く、団体客も多い印象でした。


広いロビーは確かに立派で、温泉街らしい華やぎがあります。昔から観光バスツアーの定番宿だったのだろうと感じさせる佇まいで、「あぁ、これぞ伊香保の大箱旅館」という感じがします。






ホテル天坊の屋外は写真の赤い太鼓橋を起点に、浅い流れと石組み、刈り込まれた低木があったります。
季節ごとの表情も豊かで、春〜初夏は緑のグラデーション、秋は水面に映る逆さ紅葉、雪の朝は赤と白のコントラストがあったりとホテル天坊の中でちょっとした季節を感じるフォトスポットがあるので、ホテルについてから出かける必要もなく便利です。
屋外プール
館内施設は一般的なホテルよりもかなり充実しています。


●プール(7月中旬~8月下旬の夏期のみ):[営業時間]9:00~17:00
それほど広いわけではありませんが、屋外プールがあります。
屋外というと日陰があるかどうかが個人的にはかなり重要なポイントだったりしますが、上記の写真の手前側ががっつり日差しを浴びることになりますが、橋を跨いで奥のエリアは、橋が日光を遮って日陰になるので、日焼けしたくない方でも楽しめます。
気になるポイント:水着に着替えるエリア

おそらくこれまでは直ぐ側にある温泉で着替えてプールに入るという流れだったのかと想像できますが、現在では屋外に設置された簡易トイレのような箱の中で着替えることになります。

開けるとこんな感じ。
換気ができない構造のため、かなり熱く、閉じ込められた虫たちが大量に落ちていたり、私が利用したときは強烈なアンモニア臭がしてとても清潔とは言えない状態でした。
そのため、行きについては、部屋で水着に着替えていくことをおすすめします。
脱水機がない
最近のプールには必ずといっていいほど脱水機が常設されていますが、ホテル天坊のプールには設置されていません。
そのため、帰りは濡れた状態で水着を持ち帰ることになります。

ただ、館内には洗濯機がありますので、洗濯機の脱水機能で水着を乾かすことができます。
その他の館内施設

バラエティホール かもん

ホテル天坊の「バラエティホール かもん」は、館内で完結できる二次会向け施設です。

最大約80名収容のホールに加え、25名程度のVIP個室が3室。120分飲み放題付きの二次会パックがあり費用把握がしやすいのが特徴です。
カラオケBOX|おしゃべり横丁

『おしゃべり横丁』はホテル天坊館内の“個室カラオケ”ゾーン。少人数〜中人数で周囲を気にせず二次会を楽しめます。

最大25名程度まで入れる部屋もあり、人数や用途でタイプ選択が可能。機材は一般的なカラオケ機とマイクを備え、飲み放題付きプランとも相性良好。
打ち上げや同期旅行、家族グループなど“会話中心でゆったり”に最適です。大人数で一体感を出したい場合はホール型の「バラエティホール かもん」、プライベート重視ならこちらが◎。
一時休止期もあったため、最新の営業状況・料金・人数上限はフロントで事前確認が安心。希望時間・人数・マイク本数を添えて早めの予約がおすすめです。
居酒屋|ひともっこ

「ひともっこ」は、伊香保温泉・ホテル天坊1Fにある“お好み処(居酒屋)”。館内からそのまま行ける二次会・ちょい飲みスポット。
メニューはこちら

飲み物のラインナップは本格焼酎や群馬の地酒など“地の酒”が中心。公式の滞在モデルでも“お風呂上がりにひともっこで一杯”と案内されており、入浴→一杯→カラオケへ、の導線が組みやすいのが魅力。
料理は酒肴が充実。とくに“もつ煮”の評価が高く、濃厚でコクのある味わいは地酒との相性良し。ホテル公式のSNSでも推しメニューとして紹介されています。
混みやすい時間帯は19〜21時なので、早めの入店か遅め利用が快適です。
ゲームセンター|ドリームガーデン




ホテル天坊の「ゲームコーナー」は、館内にある有料アミューズメント(UFOキャッチャーや体感・レース・リズム系など)で、子連れやグループの“ちょい遊び”にちょうどいい規模感です。公式の館内案内でも“ゲームセンター(ゲームコーナー)”として明記されています。
個人的にちょっとうれしいかったのが、プリクラーコーナーで、普段撮ることはないですが、旅館にあるとついつい思い出にと撮影してみるのが楽しかったです。
温泉

大浴場|天晴

天坊の温泉は大きく「天晴(あっぱれ)」と「岩風呂」で性格が異なります。
イメージで言えば、天晴は“湯めぐりパーク”、岩風呂は“地下の自然派ロックバス”。
どちらも伊香保特有の二源泉(こがねの湯/しろがねの湯)を楽しめますが、体験の軸が違います。
天晴は広々とした大浴場に多彩な浴槽が並び、サウナや露天を含めて館内で完結する湯はしごが可能で、営業時間も長めで男女固定の運用が基本なので、混雑を外して好きな時間に入りやすいのが魅力です。
岩風呂

一方、岩風呂は地下に降りると空気が変わり、天然記念物の三波石を大量に配した岩肌に囲まれるワイルドな没入感が主役。
打たせ湯や岩露天の“当たり”が心地よく、照明も落ち着いていて雰囲気勝ち。ただし時間帯で男女入替があり、入れる時間が区切られるため事前にスケジュール確認が必須。
選び方の目安は、種類豊富に長居したいなら天晴、雰囲気重視で短時間でも印象深く浸かりたいなら岩風呂。両方行くなら、到着後に岩風呂の入替時間をまずチェック→空き時間は天晴でゆったり、が失敗しない回り方です。
貸切風呂
貸切風呂は大きく2種類あって、少人数(2~3名)向けの「星」「空」「月」の3種類。

ファミリー(6名程度)向けの「からっ風」「かかあ天下」の2種類があります。

この中で特におすすめが「かかあ天下」で、内風呂と露天風呂の2種類を同時に楽しむことができます。
今回は「かかあ天下」を借りてみましたので、参考までに撮影した写真を掲載しておきます。





足湯


ホテル天坊の足湯はロビー脇の日本庭園に面した“小さな癒やし”。
池を眺め、鯉を見送りつつ伊香保名物の“黄金の湯”でふくらはぎまでじんわり温まります。
基本は24時間利用でき、到着直後のリセットや入浴の合間のクールダウンに最適。
朝や深夜は静か、夕食後は混みやすい印象です。
ティーラウンジでドリンク→足湯→ロビーに戻る導線が快適。裾をまくりやすい服装と小さめタオルがあると便利。写真は朝の順光が映え、橋や水面を額縁に入れると奥行きが出ます。短時間でも体が軽くなる“館内完結のスキマ癒やし”として活用すると満足度が上がります。
食事|天の川 ビュッフェ
「天の川」ビュッフェは、ホテル天坊の最上階“スカイホール 天の川”でいただく夕食ビュッフェです。
ライブキッチンを中心に出来たての一皿が次々出てくるのが魅力で、公式の案内ではローストビーフやアワビのソテー、金目鯛のアクアパッツァ、上州牛の一品、窯焼きピザや舞茸釜飯などが例示されています。
あわび

他の旅館ではほぼ考えれられないですが、アワビが食べ放題です。
刺し身等はなく、アワビのソテー一択ですが、非常においしかったです。
時間の終盤になってもしっかり出てきて、途中で売り切れとはならないので安心です。
カニ

カニも食べ放題を謳っていますが、こちらは個人的にはかなり微妙。
かなり食べづらく身も痩せているので、可食部が少なく、ほとんどの人は、1つ食べてみて、身を取るのがめんどくさくなって2つ目は取りに行かないという感じ。
ローストビーフ

サシがないローストビーフでがっつりと赤身。
よくあるローストビーフという感じで、かなり重たくおかわりはしない。
その他










YouTubeショートやTicTokではキラキラビュッフェですが、実際のところはよくあるバイキング。
アワビはしっかり美味しく食べ放題にしてもいいの?という感じですが、その他は期待しないほうが無難です。
心構えすべき点|“客層の民度”
ここからは正直な感想。ホテル自体に大きな不満はないのですが、宿泊客のマナーに首をかしげる場面が目立ちました。
大浴場での大声での会話や、廊下を走り回る子どもを放置する親、夜遅くまで部屋で宴会をしているグループなど……。スタッフが注意しても追いつかない規模感なのだろうと推測します。
例えば

キッズルームのおもちゃは片付けずに放置

プールに入る前の導線にシャワーを浴びるスペースがありますが、少なくとも私が見た限り誰も利用していません。
そのため、感染症が、、、とまでは言いませんが、水着に着替えてすぐにプールへダイブしている子どもたちばかりなのでかなり不潔ではあります。
また、私たちが貸切温泉の鍵をフロントに借りに行った際には、隣の部屋の団体客がうるさすぎてゆっくりできないとクレームが入ったようで、その方たちは結局部屋を移動することになったようでした。
部屋で静かにゆっくりしたいというよりも、度を超えて騒ぐ方たちも来ていることが問題だろうと思います。
宴会利用にはピッタリ
一方で、同僚や友人グループで「温泉旅行&宴会」を楽しむ目的なら、このホテルはとても優秀です。
広い宴会場は島型/コの字などレイアウト柔軟、乾杯→余興→締めの進行が作りやすい。
ライブ感ある料理にボリュームもあり、コスパで満足度を底上げでき、二次会は館内完結。
「かもん」で大人数の一体感を保つか、「おしゃべり横丁」で個室に分かれてしっぽり続けるか、目的に応じて選び分けることが可能です。
幹事はチェックイン時に乾杯時刻・会場入室・二次会導線を確定、BGMや照明の上げ下げ、マイク本数、HDMIまわりを事前共有しておくと進行が安定。
「静かにリラックスする」より「仲間とワイワイ過ごす」ほうがメインの旅には、まさにうってつけの宿といえます。
まとめ
ホテル天坊は「古き良き大型温泉ホテル」であり、コスパは確かに高いです。ただし宿泊客の民度にはばらつきがあり、静かな滞在を求めるなら不向き。逆に「仲間と騒いで楽しむ温泉旅行」なら最高の舞台になる宿です。用途をしっかり選べば、伊香保らしい時間を味わえる一軒だと思います。