【後悔】保田漁協直営「ばんや」|かつての感動を失った体験談

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かつて「保田漁協直営 ばんや」といえば、房総の海の幸を“これでもか”というほど豪快に盛りつけた海鮮料理の聖地でした。
朝獲れの地魚が山盛りの刺身定食、湯気を上げる金目鯛の煮付け、揚げたてのかき揚げ丼——。そのどれもが圧倒的なボリュームと鮮度で、並んででも食べたい名店として知られていました。

しかし、今回数年ぶりに再訪してみると、そこにあったのはかつての活気とはまるで違う光景。
休日の昼時でも行列はなく、すんなり入店できたことにまず驚き、そして提供された料理を前に、さらに驚かされることになります。

海鮮ちらしはネタの鮮度が低く、ボリュームも控えめ。
かき揚げは作り置きのまま冷めきり、下はべちょべちょ。
金目鯛の煮付けは二回りほど小さく、身がかたく締まり、あのふっくらとした旨味はどこへやら。
極めつけはエビフライ——見た目こそ立派でも、こちらも冷たいまま。

厨房の効率化を優先した結果なのか、かつての“漁師の豪快さ”や“揚げたての感動”が消えてしまった今のばんやには、正直なところ深い寂しさを覚えました。
この記事では、かつて感動した「ばんや」と、今の「ばんや」を実際の料理とともに比較しながら、その変化と失われた魅力を率直に綴っていきます。

目次

保田漁協直営「ばんや」の概要

項目内容
店名保田漁協直営 食事処 ばんや
運営保田漁業協同組合(直営)
所在地千葉県安房郡鋸南町吉浜99-5
電話番号0470-55-4844
営業時間平日 9:30〜17:45(L.O.17:00)/土日祝 9:30〜19:30(L.O.18:45)
定休日不定休(天候や水揚げ状況により臨時休業あり)
アクセスJR内房線「保田駅」から徒歩約15分/富津館山道路「鋸南保田IC」から車で約5分
駐車場無料駐車場あり(大型バス可)
主なメニュー刺身定食、地魚丼、かき揚げ丼、金目鯛の煮付け、エビフライ、天ぷら定食など
特徴漁港直結の鮮魚を使用した料理。広い店内と団体客対応の新館を併設。

保田漁協直営「ばんや」の外観

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これまでは外にも待っているお客さんがいたのですが、お昼時にも関わらず誰もおらず、写真の右側に見えるのが、主にひものを購入できるお土産屋さんでしたが、数ヶ月前から閉まっているようで、ここでちょっと嫌な予感がしていました。

保田漁協直営「ばんや」の内観

中に入るとすぐ席に案内されること自体はよいことなんですが、客入りが悪いなぁという印象。

入口付近で見えるところは席がある程度埋まっていたのですが、奥の客席は誰も入っておらず閑散とした雰囲気。

保田漁協直営「ばんや」のメニュー

私が過去に訪れた際は、よくある老舗のメニュー表のように紙で書かれたメニューを木で挟んだものでしたが、かなりきれいに作り直されています。

これはこれでイメージしやすくよいことなんですが、こういったところに予算を割いて、食事のクオリティを落としたんだなとがっかりしたポイントでもあります。

コンサルががっつり入っているなーという印象でした。

私が実際に注文したメニュー

海鮮ちらし(2,200円)

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ネタの種類は一通りそろっているものの、まず感じたのが鮮度の落ち。
特にマグロやサーモンはツヤがなく、ねっとり感も抜けていて、どこか“時間が経った魚”のような風味。
イカやホタテも、かつてのような弾力や甘みは薄く、全体的に「作り置き感」が強くなっていました。

さらに驚いたのがボリュームの少なさ。
以前なら丼からこぼれるほどの刺身が乗っていたのに、今はご飯がしっかり見えるほど。
ご飯の上にネタが“間をあけて”並べられており、どこか寂しい印象を受けました。

「効率化」と「原価調整」の波にのまれてしまったようで、かつての“漁師の豪快さ”を知る身としては、どうしても残念な気持ちになりました。

イカかきあげ丼(1,375円)

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最初に感じたのは、「大きいけれど、重たい」。
確かに量は多く、イカや野菜のかき揚げが幾層にも重なっていて見栄えは立派です。
しかし、箸を入れた瞬間、衣がしっとりを通り越してベチャベチャ。

どうやら、揚げたてではなく、時間を置いたものをそのまま丼にのせたようでした。

かき揚げを持ち上げると、下のほうはすでにご飯の湯気で湿っており、衣が油を吸って重く、口に入れるとぱさついて冷たい。

明らかに作り置きで、再加熱(揚げ直し)もされていない状態でした。
本来なら、ばんやといえば“揚げたてサクサク”が定番のはず。

このかき揚げ丼は、量だけは昔のまま、味と鮮度は別物という印象。
正直、この一杯で「もう次はいいかな」と思ってしまったほどです。
昔を知る者としては、本当に残念。

金目鯛姿煮(時価|私の注文時は2,860円)

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まず驚いたのは、サイズの小ささ。
昔は皿からはみ出すほどの立派な金目鯛が出てきて、その豪快さに「さすが漁協直営」と感動したものでしたが、見た目からして二回りほど小さく、ボリューム面で物足りなさを感じました。

さらに問題は“味”。
箸を入れてみると、身がかたく、パサついており、金目鯛特有のふっくらとした食感がまったくありません。
おそらく、煮付けてから時間が経っているようで、身が締まりすぎているのかなと思います。

素材の質も、調理の丁寧さも、少しずつ削られている印象。

海老フライ(1,320円)

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衣はカリッと揚がっているように見えますが、触るとすでに冷えており、
噛んでも“サクッ”という音がほとんどしません。
中の海老も冷たく、プリッとした弾力よりも、どこかしんなりとした歯ざわり。

おそらく、かき揚げと同様に作り置きされたままのものが提供されていると思います。
再度揚げ直す(または温め直す)工程が省かれているため、
時間が経つにつれ、油が酸化し、衣の香ばしさが完全に抜け落ちてしまっていました。

海老そのものの風味は悪くありませんが、
冷めた状態では海老の甘みも油の香りも感じづらく、「ばんや=揚げたてサクサク」のイメージとはかけ離れた仕上がり。

まとめ

久しぶりに訪れた「保田漁協直営 ばんや」は、かつて私が感動した“あの味”とはまるで別物になっていました。
確かに時代の流れとともに物価が上がり、人手不足や効率化の波が押し寄せているのは理解できます。
しかし、ばんやの魅力は本来、「安さ」や「速さ」ではなく、漁港直結ならではの“新鮮さと豪快さ”だったはずです。

今回食べた海鮮ちらし、かき揚げ、金目鯛の煮付け、エビフライ——。
どの料理にも共通して感じたのは、作り置きによる鮮度の低下と、手間を惜しんだ調理の痕跡と感じました。

「並ばずに入れるようになった」理由が、悲しいほどに納得できてしまいました。

房総の海を誰よりも知る漁協直営だからこそ、もう一度“海の旨さ”を感じさせてくれるばんやに戻ってくれることを、心から願っています。

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