箱根の老舗旅館グループである一の湯グループ が手がけるヴィラブランド ICHI‑VILLA CROSSROAD HAKONE。
一棟貸し・テントサウナ付き・プライベート空間――
これまで数多くのVillaに泊まってきた私にとって、正直「かなり期待値が高かった宿」です。
ですが結論から言うと、これまで宿泊したVillaの中で一番“微妙”と感じてしまいました。
道路に面しているため交通量が多く、環境音が気になる立地。観光客の声も届き、サウナ中でさえ周囲の気配を感じてしまう場面があり、期待していた“非日常の整い体験”とは少しズレを感じる部分もあります。
一方で、徒歩圏内にはスーパーやドラッグストア、名肉店や豆腐屋、蕎麦店、中華・焼肉・ラーメン・焼き鳥・イタリアンと飲食店が充実しており、買い忘れや食材不足で困ることはありません。
ヴィラ単体の評価と、周辺環境を含めた総合評価。その両面からICHI-VILLAのリアルを正直にお伝えします。
ICHI-VILLAの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | ICHI-VILLA CROSSROAD HAKONE |
| 所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 |
| チェックイン | 15:00 |
| チェックアウト | 10:00 |
| コンセプト | 老舗旅館の安心感 × 完全プライベート空間 × 自由な滞在スタイル |
| 客室仕様 | リビング・ベッドルーム・キッチン完備 |
| テラス設備 | テントサウナ(水着着用必須)・水風呂・ウッドデッキ |
| 温泉 | 施設内に温泉なし(※一の湯グループの湯めぐり利用可だが使いづらい(後述します)) |
| BBQ設備 | BBQは可能だが、BBQセット(機材・炭など)は用意なし |
| 特徴 | 他の宿泊客と接触しない独立空間 |
| バリアフリー配慮 | 段差を抑えた設計、広めの通路設計 |
| 想定利用シーン | 家族旅行・グループ旅行・観光拠点・サウナ目的滞在 |
従来の温泉旅館とは異なり、滞在中は他の宿泊客と接することなく、自分たちだけの空間で過ごせるのが大きな特徴です。
室内にはキッチンや調理器具が備えられ、ウッドデッキではBBQも可能。
テラスにはテントサウナと水風呂が設置され、自然の中で“ととのう”体験も楽しめます。また、段差を抑えた設計で子どもや高齢者にも配慮されています。
さらに、一の湯グループの対象施設の温泉を利用できるサービスもあり、ヴィラ滞在と旅館の湯めぐりを組み合わせた楽しみ方ができるのも魅力です。観光地・仙石原エリアに位置し、箱根観光の拠点としても利用しやすい宿泊施設です。
外観・テラス


まず外観ですが、ダークブラウンの横格子フェンスに囲まれた、非常にクローズドな造りになっています。
ロゴサインはスタイリッシュで高級感はありますが、立地は幹線道路沿い。
写真を見ると、すぐ隣に道路標識や交通の気配があり、「別荘地の奥にひっそり佇むヴィラ」という雰囲気ではありません。
・外からの視線はしっかり遮断されている
・建物は新しく清潔感がある
・入口はスロープ付きでバリアフリー配慮あり
気になる点として
・道路との距離が近い
・“自然の中のヴィラ”というより“街中型ヴィラ”
・非日常感はやや弱い
見た目のデザイン性は高いですが、ロケーション面では好みが分かれる印象です。




テラスは横長で、ソファセットが置かれたラグジュアリーな空間。
ラタン調の家具は雰囲気が良く、昼間は日差しが入り明るいです。
しかし、写真からも分かる通り、
・完全に空が抜ける開放感はない
・フェンスの上から街並みや電線が見える
・周囲の生活音が入りやすい構造
“自然に囲まれたテラス”というよりは、囲われた屋上デッキに近い印象です。
テントサウナはテラスの奥に設置され、横には丸型の水風呂で、見た目はしっかりしていますが、
・テラス自体が道路に近い
・フェンス越しに外部の気配を感じやすい
このため、サウナ中の没入感はやや弱めで、特に“ととのい時間”は、静寂よりも環境音を感じやすい構造です。
内観








まず一番広いリビングの良い点としては
・天井が高く、ワンフロアで開放感がある
・ナチュラルウッド基調で統一感がある
・ダイニングとソファスペースが明確に分かれている
・清潔感はかなり高い
4人掛けダイニングテーブル+L字ソファで、家族やグループ利用にはちょうどいいサイズ感です。
ただし、高級ヴィラというよりは「上質な賃貸物件」や「新築のモデルルーム」に近い印象で、リゾート感よりも機能性重視の空間です。














キッチン周りは非常に実用的。
✔ 大型冷蔵庫
✔ 電子レンジ
✔ トースター
✔ シンクあり
✔ カウンタースペース十分
料理をする前提で作られているのは明確です。
ただし、
・アイランド型ではない
・景色を見ながら料理する構造ではない
あくまで「機能的キッチン」という印象。






ここはかなり特徴的。
✔ 完全フラット設計
✔ 車椅子対応可能な広さ
✔ トイレとバスが同一空間
バリアフリー対応はかなり優秀です。
一方で、
・温泉ではない一般浴槽
・リゾートバス感はなし
・生活感が強い
“ヴィラの特別感”よりも“高機能ユニットバス”という印象です。


シンプルなツインベッド。
✔ 清潔感あり
✔ 木目基調で落ち着きはある
ただし、
・装飾は控えめ
・非日常感は弱い
・窓からの景観は特別感なし

寝心地は悪くないですが、「高級ヴィラのベッド」という演出はありません。






設備やアメニティは充実しています。これは実用性が高いポイントで、長期滞在や家族利用には便利。
ただ、これも“生活寄り設計”の要素で、ラグジュアリー感とは方向性が違います。
全体として感じたのは、
✔ とても清潔
✔ とても実用的
✔ とても合理的
でも、
✖ 圧倒的な非日常感はない
✖ リゾート没入感は弱い
✖ 「ここでしか味わえない」演出は少ない
つまりこの宿は、「高級別荘」ではなく「上質な機能型一棟貸し」という立ち位置が正確だと思います。
ICHI-VILLAのテントサウナ
ホワイト×ブラックのしっかりした断熱テント。
見た目は本格的で、安っぽさはありません。
✔ 分厚いキルティング生地
✔ 窓付き
✔ 専用マット敷き
簡易サウナというより、しっかりした“常設型テントサウナ”です。



内部は意外と本格派。
✔ HARVIA製のサウナストーブ
✔ 大量のサウナストーン
✔ ロウリュ可能
✔ 温度計あり
✔ 木製ベンチ
ストーブ周りは安全柵付き。
温度はしっかり上がり、テント型ですが熱量は十分。
ロウリュをすると一気に蒸気が回り、瞬間的な体感温度はかなり高めですが、足元が冷たいのが少し気になりました。
“設備の本気度”は正直高いですが、テントサウナ型としては少し広めなので、サウナのスイッチを入れてから90分程度は見ておいた方がよいと思います。


テントのすぐ横に丸型の水風呂。
✔ 十分な深さあり
✔ 1人利用に最適サイズ
✔ 水道で直接給水
水温は季節依存。
チラー(冷却装置)がないため、冬はかなり冷たく、夏はややぬるめになります。
導線は良く、
サウナ → 2歩で水風呂 → 椅子で外気浴
動線自体は理想的です。
ICHI-VILLAをおすすめしない理由
環境音が大きく、人の声も普通に聞こえるため休まらない
公式写真からは落ち着いた自然環境を想像していましたが、実際は交通量の多い道路のすぐ隣に位置しています。
特に気になったのは、
- バスの走行音
- トラックの通過音
- 断続的なエンジン音
上記動画は音をONにして聞いていただければと思います。
すぐ隣が幹線道路で信号が見えるくらい近接しているのでかなりうるさいです。
箱根は観光地なので交通量が多いのは理解していますが、Villa滞在で求めるのは「非日常の静けさ」。
窓を閉めても低音は伝わりますし、テラスでは常に道路の存在を感じて、正直、「自然の中でゆっくり」という感覚にはなりませんでした。
特に問題と思うのが、ICHI-VILLAを選ぶ最も大きな理由のテントサウナです。
周辺は観光客が多く、人の声が想像以上に聞こえます。
- 通行人の会話
- 近隣観光客の声
- バス停付近のざわめき
サウナ中は外界との遮断が弱く、
「今、テラスに誰か入ってきてないよね…?」
と一瞬不安になるレベル。
“ととのう”はずの時間に、無意識に周囲を気にしてしまうので、これはかなり致命的だと思います。
室内の床が冷たい|足元から体温が奪われる
もう一点、地味ですが大きなマイナスポイントとして室内の床がかなり冷たいことです。
暖房は効いていても、室内は温かいですが、床の冷たさで体感温度が下がる感覚がありました。


おそらく、ドアや窓の古さを見るに、古い建屋をリフォームしてテラスを建設してくっつけたのかと思いますが、建物の床はフローリングを張り替えただけで、床断熱の処理をしていないのかと思います。
追い焚き機能がない・お湯が冷たい
ICHI-VILLAのお風呂から出るお湯がかなりぬるく調べてみると以下のとおり湯と水を混合するので冬場は温度が上がりません。

ちなみに給油器の温度はMAX60度までで、60度にしても冬場はちょっと温かいかなレベル(測定していないですが、体感42~43度程度)です。

足元が冷たく体をポカポカにしたいのでちょっと温度高めにしようと思っても、追い焚き機能もない風呂釜なので少し時間が経てばぬるくなっていきます。
そのため、お湯を抜きながらお湯を足さないと温まることができないという状況になりました。
BBQ設備がついていない・レンタルできない
最近では1棟貸しでも調理された食事を提供するVillaが増えてきていますが、ICHI-VILLAは近くのお店で食べるかBBQという選択肢になりますが、ICHI-VILLAにはホットプレートはありつつも、BBQの設備(網・コンロ・炭等)は付属していません。
また、レンタルすることもできないため、自分たちで用意する必要があります。
特にめんどくさいポイントは灰の処理。
灰の処理方法も記載されていないので、燃えるゴミとして出していいのか不明。
そのため、モラル的には灰は自宅へ持ち帰り、地域のルールに従って捨てることになります。
設備故障


ICHI-VILLAのHP画像にサウナのすぐ隣にシャワーが見えていたので便利と思い期待していたのですが、事前告知なしで故障中の張り紙。
シャワー関連の配線や給水ホースがすべて外されているのでおそらく修理するつもりはなさそうな雰囲気ですが、修理しないつもりなのであれば、公式HPからシャワーが写っている写真は削除すべきだと思いますし、修理するつもりならいつまでに完了するのかを告知すべきかと思います。
このあたりも誠実さを感じられなく、がっかりしたポイントでもあります。
ICHI-VILLAの良い点
正直、ICHI-VILLA自体はこれまで利用したVillaの中で最低レベルの品質ですが、一方で、ICHI-VILLAの立地はかなりよく、周辺環境は充実しています。
以降は徒歩5分以内で行くことができる施設です。
ランチ|十割そば・炭火焼 座りや

ICHI-VILLAから徒歩10秒程度の場所にある蕎麦屋です。
価格帯としてはこんな感じ
・せいろ:1,000円前後
・天せいろ:1,500円〜1,700円
・セット系:1,600円前後
・ドリンク:500円前後
特徴としては
・温・冷どちらも充実
・天ぷら系が強い
・手作り感あるメニュー表
観光地価格ではあるものの、箱根エリアとしては標準的〜やや良心的。
・ミニ丼セット
・天丼セット
・ごはん物との組み合わせ
お得なセットメニューも充実していて観光客のみをターゲットに絞っているというよりも地元利用も想定している構成で高感度が高いです。



私が注文したざるそばAセット(1,760円)
いわゆる“手打ち風の素朴系”ではなく、
整ったタイプの上品な蕎麦。
のど越し重視の仕上がりで、噛むと強めの蕎麦の香りがして10割蕎麦の食べごたえがあります。
このセットの特徴は、木の器に並んだ前菜的な盛り合わせで、かなりバランスが取れている印象でした。
✔ 山菜系
✔ 和え物
✔ 煮豆
✔ 漬物系
✔ 少量のフルーツ
特に山菜のほろ苦さは、独特の風味で満足度は高いです。
ざるそば単体は標準量で、Aセットは天ぷらもつきますが少量なので、「軽めのコース感」と思っていただいて大丈夫かと思います。
ガッツリ満腹というより、ちょうどよく満たされる量です。
夜の営業をしていないことが注意ですがランチは非常にコスパよく、味も店内の雰囲気もよく、時間が合うなら「座りや」が一番おすすめです。








月曜日 11時00分~17時00分
火曜日 定休日
水曜日 11時00分~17時00分
木曜日 11時00分~17時00分
金曜日 11時00分~17時00分
土曜日 11時00分~17時00分
日曜日 11時00分~17時00分
BBQ仕入れ|角田屋肉店

BBQをするならここでぜひ肉を仕入れてほしいです。
外観は落ち着いたモダンな佇まい。
ショーケースには美しい霜降り肉がずらり。


✔ 和牛サーロイン
✔ 上カルビ
✔ はらみ
✔ かいのみ
✔ 豚ロース
✔ ベーコン
価格も観光地としては良心的。
特に和牛のサシの入り方が見事でショーケース越しでも質の高さが伝わります。
ICHI-VILLAはBBQ可能ですが、せっかく焼くなら、スーパーの量産肉ではなく、ここで買うべき。
理由はシンプルで脂の質が全く違います。
焼いたときの香り、口溶け、旨みの濃さは明らかにワンランク上の品質でした。



特に「和牛切り落とし」「ハラミ」「げたカルビ」は食べてほしいです。
また、この店のもう一つの強みで揚げ物類があります。



揚げ物がその場で揚げたて提供されていて、私は「和牛メンチ」「コロッケ」を購入しました。

和牛メンチは外はサクサク、中はジューシー。
噛んだ瞬間、肉汁がしっかり広がり、和牛特有の甘い脂が効いていました。

正直、観光地クオリティではなく、完全に地元名店レベルです。
コロッケは昔ながらの王道タイプ。

ホクホク感強めで甘みのあるじゃがいも。
かなりずっしりと大きくボリュームがあり満足度はかなり高いと思います。
BBQ仕入れ|箱根 笹とうふ かつまた

外観は昔ながらの街の豆腐屋。
ショーケースには:
✔ 生揚
✔ きぬ豆腐
✔ がんも
✔ お惣菜各種



価格帯は170円〜500円前後で観光地価格ではなく、完全に地元価格。
スーパーの豆腐とは別物で、
大豆の香りが濃い。
水っぽさがない。
密度がある。
特に
✔ 湯豆腐用とうふ
✔ がんも
✔ 厚焼き玉子
完成度が非常に高いと思いました。
また、BBQの食材調達という観点であるなら、生揚(厚揚げ)ステーキを絶対に購入してください。
BBQでの調理方法はシンプルで
① 表面をしっかり焼く
② 醤油をジュッとかける
それだけで脂っぽくないのに満足感がすごいく、肉の合間に挟むと最高でした。
徒歩圏内にスーパー&ドラッグストアがある

ICHI-VILLAの大きなメリットのひとつが、
徒歩圏内に
ココカラファイン 仙石原店
エーコープ 仙石原店
があることです。
・調味料が足りない
・飲み物をもっと買えばよかった
・朝ごはんの材料が足りない
こういう“地味なトラブル”、旅行では本当に多く、車を出して買い出しというのがかなりめんどくさいのですが、ICHI-VILLAから徒歩圏内で買い忘れ問題はほぼすべて解決できます。
その他の周辺施設

ICHI-VILLA周辺は、正直なところ“リゾートのど真ん中”というより生活圏寄りのエリアとなっているので
✔ 中華
✔ 焼肉
✔ ラーメン
✔ 焼き鳥
✔ イタリアン
と、徒歩圏内に飲食店はしっかり揃っています。













ジャンルの幅は想像以上。
「夜ごはん難民になる」ということは基本的にありません。
ただし、営業時間がネックで夜営業していない店舗もちらほらあるので、夕食狙いの場合は事前に営業時間と定休日はチェックしておくようにしましょう。
まとめ
ICHI-VILLAは一棟貸しという自由度やサウナ付きという特徴はあるものの、立地環境や設備コンディションを踏まえると、正直“価格に見合っているか”という点では疑問が残りました。
交通音や周囲の生活音、サウナ周りの不具合などを考えると、期待値とのギャップは小さくありません。
もし同じエリアで宿泊を検討するのであれば、車で数分の
仙石原品の木一の湯
に食事付きで泊まるほうが、総合満足度は高いと感じます。
温泉があり、食事も用意され、老舗旅館としての安心感もある。移動は車でわずか数分。価格帯を踏まえると、コストパフォーマンスという意味ではこちらの方が納得感は強いです。
ICHI-VILLAは「完全プライベート空間」や「自分たちで食材を揃えて楽しむスタイル」を重視する人向け。
一方で、価格に見合う快適性や静けさ、安定した滞在を求めるのであれば、品の木一の湯という選択肢は現実的で賢い判断だと思います。

